転倒を予防しましょう!

 不本意にも転倒して骨折し、結果としてからだの調子を大きく崩してしまった方を私はたくさん知っています。実は私の両親も転倒して骨折、その後に生活能力が大きく低下しました。そのようなわけで、今回改めて転倒を予防することの重要性を強調しておきたいと思います。 

 異常気象や感染症の流行、加えて老々介護といった生活環境から自宅に閉じこもりがちになり、体力が低下してしまった高齢の方は多いと聞き及びます。そのような状況下で気候がよくなり、活動範囲が広がれば当然、転倒の機会が増えることが予想されます。転倒は決して他人事ではありません。健康寿命を延ばすため、何としても転倒を防ぎましょう。 

  転倒を引き起こす要因には身体要因と環境要因とがあります。身体要因とは、簡単にいえば運動機能の低下を指します。筋力・バランス能力低下、目のコンディション不良、薬の副作用(血圧のくすり、安定剤)、注意力低下、痛みなどが影響して身のこなしが不良となり、転んでしまうものです。特に立ち上がり、方向転換、歩行時の足の突っかけで転ぶことが多いようです。 次に環境要因ですが、これには居住環境や身に着けるものなどがきっかけとなり、転倒を引き起こすものがあります。具体的には、滑りやすい床、大したことのない段差、目の粗いじゅうたん、暗い照明、足元の動きやすい障害物、裾の長いズボン、脱げやすいスリッパなどが挙げられます。転倒を予防するには、以上に挙げた要因を一つ一つチェックすることから始めなくてはいけません
06:47 のりゆきひでき  寝たきりの原因について、国は定期的に調査を実施しています。少々古いのですが令和元年の発表によりますと、第1位は認知症(24.3%)、第2位は脳卒中(19.2%)、第3位は高齢による衰弱(11.2%)、第4位は骨折・転倒(12.0%)、第5位は関節疾患(6.9%)、第6位は心疾患(3.3%)となっていました。

なぜ、転倒(・骨折)が寝たきりの原因となるのか、それには理由があります。痛みや手術によりベッド上の生活が長引きますと、安静状態によりいっそう筋力が低下していきます。加えて認知機能や意欲も低下してしまい、自発的な体動が減ってさらに筋力を低下させます。時には安静状態から肺炎や腎盂(じんう)炎などの感染症を併発し、さらに体力・筋力を落とすという悪循環に陥ります。無事に回復したとしても一度落ちた体力はそう簡単には元に戻らず、転倒の危険性が以前に比べていっそう増してしまうのです。これは実に怖いことです。 やはり転倒は予防するに越したことはないでしょう。

 自分の生活環境を見直すこと(居間での転倒が一番多いという統計があります)、何よりも自分の身体要因を確認することが大切ではないでしょうか。 ( 文責: 則行 英樹 )

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